日独外国人法

ドイツ連邦共和国外国人法

ドイツでは、2005年1月1日より、新しい外国人法(「ドイツ連邦共和国領土における外国人の滞在、就労及び統合に関する法律」)が施行され、ヴィザに関する法令が大幅に改正されました。これに伴い、今年からヴィザに関する実務も大幅に変更されています。

なお、「ヴィザ」という言葉は、通常「査証」の同義語として使われますが、今回の改正により、「査証」という名前の滞在資格が新たに導入されましたので、ここでは、従来の「滞在承認」と現在の「滞在資格」の両方を包括する上位概念として用います。要するに、日常的な意味で「ヴィザ」という言葉を使っているのだと思っていただいて構いません。


滞在資格の簡素化

まず、大幅に変わったのは、ヴィザの種類です。従来は、滞在権付与(Aufenthaltsberechtigung)・滞在許可(Aufenthaltserlaubnis)・滞在同意(Aufenthaltsbewilligung)・滞在権限(Aufenthaltsbefugnis)の4種類があり、それらをまとめて滞在承認(Aufenthaltsgenehmigung)と呼ぶことにしていましたが、この制度を撤廃しました。

新制度では、査証(Visum)・滞在許可(Aufenthaltserlaubnis)・定住許可(Niederlassungserlaubnis)の3種類となり、それらをまとめて滞在資格(Aufenthaltstitel)と呼ぶことにしています。

査証は、3か月以内の滞在に対して発給される短期的な滞在資格ですが、日本人の場合、3か月以内の滞在には、通常滞在資格は要求されませんので、目にすることは余りないでしょう。

滞在許可は、期限付きの滞在資格です。日本人がドイツに長期滞在する場合には、この滞在資格の発給を請求する必要があります。従来は、主として労働ヴィザや自営業ヴィザ・フリーランスヴィザとして発給されていましたが、現行法では、(従来は滞在同意として発給されていた)学生ヴィザなども滞在許可として発給されます。詳しい指示や制限事項は、附款において言及されます。

定住許可は、無期限の滞在資格です。実質的には永住権と呼んでもよいものです。


労働許可の撤廃

就労を目的とする滞在許可については、従来は、「労働許可取得義務のある就労については、有効な労働許可に適合する形でのみ、許可される」旨の附款がつけられる実務となっていました。したがって、就労のためには、外人局で滞在許可を発給してもらうほかに、労働局で労働許可を発給してもらう必要がありました。

しかし、新外国人法はこの手続を改め、労働局に対しては外人局から直接問い合わせが行われることになりました。したがって、外国人は、外人局に滞在許可を発給してもらうだけでよいことになりました。制度としては、労働局の同意が不要になったわけではないのですが、この同意は、事前に労働局から外人局に対してなされるために、申請者から直接労働局に労働許可を求める必要はなくなったのです。

これに伴い、滞在許可に付けられる附款も、「〇〇労働局の管轄領域にある日本企業の日本人従業員としての就労が許可される」というような、概括的な文言とする実務となったようです。したがって、この場合には、雇用関係を変更するたびに労働局に新たな労働許可を申請する必要はなくなりました(必ずそうだというわけではありません。個別の場合については、各自附款をよく読み、不明な箇所は外人局か弁護士に問い合わせてください)。

なお、2004年以前に発給された滞在許可の扱いですが、新法は「発給の際に基礎とした滞在目的と事案に応じた滞在許可」として引き続き効力を有すると規定しています。ここでは、いわゆる不確定法概念(unbestimmte Rechtsbegriffe)が用いられておりますので、個別具体的な事案については、行政裁量に委ねられていると解されます。したがって、雇用関係が変化するなどの事情が生じた場合には、新たな手続が必要かどうか、外人局に確認をとる必要があるものと思われます。

ちなみに、2004年以前に発給された滞在権付与(Aufenthaltsberechtigung)・無期限滞在許可(unbefristete Aufenthaltserlaubnis)については、「発給の際に基礎とした滞在目的と事案に応じた定住許可」として引き続き効力を有することになります。この場合も、不明な点については、管轄の外人局にお問い合わせください。


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