ドイツの税法・税務・税理士

税法

ドイツの税法は複雑なことで有名ですが、恐れることはありません。日本の税制ときわめてよく似ているからです。ただ、若干名称や内容が異なることがありますので、注意が必要です。

所得税

所得税(Einkommensteuer)は、個人の所得に対して課せられる税金です。所得税法(EStG)が根拠となる法律です。

課税の対象は個人の所得(Einkommen)ですが、この所得は、「収入の総額から、特別支出及び非常負担を差し引いたもの(Gesamtbetrag der Einkünfte, vermindert um die Sonderausgaben und die außergewöhnlichen Belastungen)」であると定義されています(§ 2 IV EStG)。つまり、収入(Einkünfte)から必要経費(Werbungskosten)などを差し引いたものだと考えればよいです。

ドイツの所得税法は、収入を7つに分類する分類制度(schedular system)を採用しています。

  1. 農林業収入(Einkünfte aus Land und Forstwirtschaft, § 13 EStG)
  2. 営業収入(Einkünfte aus Gewerbebetrieb, § 15 EStG):個人事業や合名会社(OHG)などの事業がこれに該当します。
  3. 自営勤労収入(Einkünfte aus selbständiger Arbeit, § 18 EStG):自由業からの収入がこれに該当します。
  4. 非自営勤労収入(Einkünfte aus nichtselbständiger Arbeit, § 19 EStG):給与収入がこれに該当します。
  5. 資本収入(Einkünfte aus Kapitalvermögen, § 20 EStG):利子・配当などがこれに該当します。定率の税率が課せられます。資本会社の配当の場合、二重課税を避けるために、半額のみが課税されることになります(Halbeinkünfteverfahren, §§ 3 Nr. 40, 3c II EstG)。
  6. 賃貸収入(Einkünfte aus Vermietung und Verpachtung, § 21 EStG)
  7. 雑収入(Sonstige Einkünfte)

主収入(Haupteinkunftsarten)と呼ばれるのが、農林業収入・営業収入・自営勤労収入・非自営勤労収入の4つで、残りの4つが副収入(Nebeneinkunftsarten)と呼ばれます。なお、宝くじなどは「市場で得ることのできる収入(am Markt erzielbare Einkünfte)」ではないため、所得税の対象とはならないと考えられています。

給与所得税(Lohnsteuer)と資本収益税(Kapitalertragsteuer)については、源泉徴収手続(Quellenabzugsverfahren)が行われます。資本収益税の源泉徴収は利子前払税(Zinsabschlagsteuer)ともいい、申告漏れが多かったために1993年に導入されたものです。抛って置くと全額課税されてしまいますので、控除額を非課税とするために予め銀行で控除委託(Freistellungauftrag)をしておく必要があります。

法人税

法人税(Körperschaftsteuer)は、法人の利益に課せられる税金です。所得税と異なり、定率の税率(25パーセント)が適用されます。

付加価値税

付加価値税(Mehrwertsteuer)は、売上税(Umsatzsteuer)ともいい、日本の消費税に相当するものです。流通の末端にいる消費者が負担する税金で、流通を媒介する企業については、消費者にかわって納税を行いますが、実質的な負担はありません。税率は、原則として16パーセントです。

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税理士会・税理士法・会計事務所

税理士(Steuerberater)は、必ずしも必要ではありませんが、会計帳簿から税額を算出し、税務署関係の手続を円滑に進めてくれるので、自営業者や企業等など、申告の頻繁な場合には依頼することが望ましいでしょう。会計帳簿の作成もあわせて依頼することができますので、企業内で簿記をすることが困難な場合には、あわせて依頼するとよいでしょう。

フリーランスなど、年一回所得税を納税するのみの場合には、確定申告を怠らないようにしましょう。

 
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